出産レポート2 進化する陣痛…そして針地獄
8時前でまだ総合受付が開いていないため、夜間入口から中へ。
守衛さんに、こちらの用紙(名前住所等の簡単なもの)に記入してくださーいと言われますが、こっちは波がきてるときはそれどころではなく付き添いの母が代筆。腰の痛みでエビのような格好のまま病棟へ向かいます。
ナースステーションに声をかけると、個室に案内され、NSTをすることに。
しかし、「申し訳ないんですけど、いまお産が重なって分娩用の個室が準備できないので、こちらの部屋でお願いします」とのこと。ナースステーションの近くにある分娩用の個室(陣痛室、母子同室用に広めの作りになっている18畳ほどの部屋)ではなく、一般個室(ほぼベッド)に通される。
NSTが終わるまでは陣痛確定ではないので入院になるかわからない、という前提だったが、設備や入院パックのおおまかな説明をしてもらいましたが、もちろんあんまり頭に入らない…
入院用の必要書類を準備だけしておくよう指示があり、あらかじめ記入してあった用紙を出して母に印鑑捺印&日付を入れてもらう。
検尿カップも渡されました。
ベッドに横になってNSTをつけていると、痛みが収まってきた気がして「空振りかもしれんw」と弱気になる私。
母は「やめてよーー頑張って出てきてよーーー」と孫に懇願…誘発の予定もあったけど、今日自然に出てきてくれるならそれが一番いいのは確か。
8時40分、夫着。母は夫にバトンタッチしてそそくさと帰っていく。
夫と話して気を紛らわせ、ここまでの顛末と痛みの波について報告。このあたりはその後の痛みが大き過ぎてあまり痛かった覚えがない。
痛みの大小のバラツキは少なくなるが、なんか痛みの間隔短くない??こんなもん?と2人で「よーわからんなー」と言い合う。この頃からお産のスピードが加速度的に速いことを私たちはまだ知らない…。
まだ余裕があった私は、がんばって出てこようとしている娘をサポートする、応援するというつもりで心の準備をする。
時々ある胎動に、◯◯ちゃん〜パパ来たよ〜と声をかけてくれる夫。ゆっくりとお産気分が高まる。
9時過ぎにNSTの結果が出て、「陣痛が来てるので、このまま入院になりますね」とのこと。まだ不思議な感じだけど、とりあえず誘発を待たずに産める&家族が揃っているタイミングであることに安心。
痛みが引いている時によろよろと診察室に向かい、助産師さんが手早く内診してくれる。
「子宮口3センチで柔らかくなっていて、いい感じですね。今日がお誕生日になるかなーと思います、早ければ日が落ちる頃…かなあ〜?」
心がふわっとなる。嬉しいのか気持ちが軽くなったのか興奮したのかよくわからないw まだ実感はないものの、待ちくたびれていた私は、お産への恐怖よりも安心感の方が強い。
今回の内診は従来と比べものにならないくらい痛くなかったので、子宮口が柔らかくなっているんだろうなーと何となく感じる。
9時半頃、夫に手伝ってもらい、入院セットに含まれている産衣に着替え。寒いのでズボンはそのままでいいですよーと言われる。
着々と痛みの間隔がどんどん狭まっていくが、合間に話ができ、分娩室に持ち込む荷物を出したり動くこともできました。
初期の検査でGBS陽性と出ていたこともあり、抗生剤投与&輸血のための太めの針を腕に刺しておく必要があって…という説明が。
そう言えばそんなんあったな〜と出産レポを思い出すが、これが厄介だった…。
助産師さんがとても気を遣いながら、針刺しますねーと処置を。すごく丁寧にしてくれるのに、針が!なかなか入らない!
そう言えば血管がわかりにくいとよく言われる私。
初めの方こそ痛みの合間に話をしたり経過をきちんと見たりする余裕がありましたが、じわじわと陣痛の波の間隔が狭まっていき、かと言って痛がるエネルギーすらなく、波が来るたびに枕、ベッドにしがみついてググーーッと上半身に力を抑え込み、ひたすら息を長く吐く。
まだ「息を吐くと楽」と自覚して実行する余裕あり。
夫は刺さらない針を冷静に見守りながら、横で腰をさすり、手を握ってくれてたけど、かなり手は痛かったはず。。陣痛の痛みに対抗するレベルの握力で夫の手と枕を握りつぶし続けていた。。
別の針…別の助産師さん…と代わっていく間にどんどん強くなる地獄…針…陣痛…針…。
太めの針なので痛いですよ〜ごめんね〜と言ってもらうけど、陣痛の痛みの方がデカイので針はまったく気にならない。
そうこうしている内に、陣痛が第二形態に進化!!お尻から何か出そう、出したい!!という感覚が出て来る。
陣痛が進化。
これがいきみたい感覚か…!と悟る😇
針チャレンジを続ける助産師さんに「お尻から出したいんですけど…出さないようにするにはどうしたら…」と訊くと、「お尻を拳で押さえてもらうと楽になるかも!旦那さん押してあげてください!」
夫、私に握りつぶされた手をギュッと丸め、必死に尾てい骨から肛門あたりをひたすら押す。
いきみ感が出てきたこのあたりから、私の機能の中からコミュニケーションのコマンドが削除されていく。言葉を発さない、されるがまま。
お尻から出てくる何かを調伏するためには全エネルギーをいきみ逃しに賭けるしかない!!
夫がスポークスマン状態で助産師さんと会話したりお礼言ったりしてくれてました。
この陣痛第二形態への進化中、ずっと両腕各数カ所に針を刺したり抜いたりされていたがもはやどうでもいい。
針の痛みより陣痛に耐えることが目下の緊急課題。
夫は私の力む姿や呼吸からうまく察してくれて、波のたびにお尻を押さえてくれる。たまに察してくれないと無性に腹立たしいけど声を出すパワーなし。
そして、どうしても刺さらん!ということでお医者さん登場。たまたま担当の先生(糸井重里をゴツくした感じ)が夜勤に入っていたようで少し和む。が、挨拶する余裕すでになし。
先生は「月曜入院のはずだったのにね〜自然に陣痛が来て良いことです〜」といつものペース。
至極丁寧に留置針の説明をしてくれて、夫もふむふむと熱心に聞いていたが、私はぐったりしながら「針はどうでもええから腰さすってくれ…お尻押してくれ…私の陣痛どうにかしてくれ…」と意識の奥で考えていたがぐったりして声は出せない。
お尻がおろそかになったときだけ夫に「お尻…!」と催促する。
下からがっぷり押さえてもらわないと確実に何か出る。肛門をしめてパワーを閉じ込めつつ、握りしめた手からはエネルギーを放出するという2種類の逆の作業をするのが超絶しんどい。
身体と呼吸を使いこなさなければならず、武道か?武道の達人か?と思うレベル。インドア派は身体を器用に使えない…
先生の針チャレンジは続き、右腕→左腕→違う場所ともはや針地獄だが、
夫「もし針が刺さらなかったらどうなります?」
先生「細い通常の針を二本通すこともありますね…名神だけじゃ足りなくて新名神作るみたいな…ははは」
夫「なるほど〜〜ははは」
先生「ははは」
私は名神どうでもええねん……と心の底から思ったが陣痛に必死で声は出せない😇
結局、先生のおかげで針は入り、難関をクリア。夜勤明けなのに針を入れるためにむくみを取るべく腕をさすったり、かなり丁寧にやってくれた先生…
よく考えれば夫に息抜きさせるため?なのか、雰囲気を和ませ、色々と労いの言葉をかけてくれて感謝したい…。
当時の私は、夫と先生が話してる間、はよお尻押してくれ…出る…ほんま出る…と恨みしかなかった😇ごめん先生。。
また、先生にぬるっと「痛いですか?」と聞かれ「思ってたより…痛いです…」と答えて個室がドッと笑顔に包まれたのもいい思い出です😇
これも今だから分かることだけど、この時点で急速に子宮口が開いていて急激にお産が進んでいたので、思ってたより痛くて当たり前だった!コワー!*(^o^)/*
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